映画「A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー」独特なファンタジー ※ネタバレ
どうも ゆうですÜ
今回紹介する映画は
A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー
好きな女優ルーニー・マーラが出演しているので
前から気になっていたのですが
アマプラに出たので観てみました!
ホラーでも、ロマンスでもなく
独特なファンタジー映画で、好みが分かれそうな作品でした
影山みほさんの映画解説総合メディア
「MIHOシネマ」でも紹介されていますので、こちらもチェック
説明・あらすじ
原題:A Ghost Story(2017)
アメリカのファンタジー映画。監督はデヴィッド・ロウリー。
主演はケイシー・アフレックとルーニー・マーラ。3人は「セインツ -約束の果て-(2007)」以来の2度目のタッグとなった。
アメリカ・テキサスの郊外、小さな一軒家に住む若い夫婦のCとMは幸せな日々を送っていたが、ある日夫Cが交通事故で突然の死を迎える。妻Mは病院でCの死体を確認し、遺体にシーツを被せ病院を去るが、死んだはずのCは突如シーツを被った状態で起き上がり、そのまま妻が待つ自宅まで戻ってきた。Mは彼の存在には気が付かないが、それでも幽霊となったCは、悲しみに苦しむ妻を見守り続ける。しかしある日、Mは前に進むためある決断をし、残されたCは妻の残した最後の想いを求め、彷徨い始める――。
大ヒット中!『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』日本版予告
ストーリー(ネタバレ)
※まだ観てない方は閲覧注意!読まないことをお勧めします
「目覚めた時に、いつも扉が閉まる気配がする」
作曲家のCと妻のMは、郊外の質素な一軒家で仲睦まじく暮らしていた。Mは子供の頃、よく引越しをしていて、家を去るときに小さなメモを隠してきた。もし戻ってきたときに、その場所での記憶を思い出せるようにと、しかし一度も戻ったことはないという。ある夜、突然のピアノの音で寝ていたふたりは目を覚ますが、誰もいない。この家を気に入っていたCは何か物が落ちただけだろうと流すが、度々ポルターガイストが起こっていたためMは引っ越したがっており、ついにCは引越しに承諾する。少しずつ引越しの準備を進めていたが、ある日Cは、自宅前で自動車事故により突然亡くなってしまうのだった。
突然の夫の死に、病院で呆然と死体の側に立ち尽くすMだが、しばらくしてシーツを被せ、その場を静かに立ち去る。すると死んだはずのCは起き上がり、シーツを被ったまま院内を歩き回る。Cの目の前に光の扉が出現するが、そこには進まず自宅に戻るのだった。家に帰ってきたMはCの存在には気づかず、落胆した様子で不動産屋の女性が差し入れに置いていったパイを食べ始める。悲しみからやけ食いするが、しばらくしてトイレに走り嘔吐する様子を、側でただ見守るC。その後も悲しみに暮れるMを、ゴーストとなったCは見守り続けるのだった。
月日が経ち、Mは家を出るための準備をする。そして最後にメモの切れ端を壁の隙間に入れて、上からペンキで塞ぎ、家を去っていくのだった。ゴーストのCをその場に残して。
Mが去った後、ヒスパニック系の母子が住み始める。また、隣の家にも同じようなゴーストが存在しており、窓越しに挨拶するCに「ここで人を待ってる、でも誰かは覚えていない」と答えるゴースト。やがて地縛霊となり、親子の幸せそうな姿に耐えられなくなったCは、キッチンの皿を投げつけて割り、それはポルターガイスト現象となり親子は恐怖で引っ越してしまう。しばらくしてその家は若者のパーティー会場となっていた。Cが佇む側で、ひとりの男が「この世に何かを残したとしても、いずれ地球は崩壊し宇宙は消える、あらゆる創造物は無意味だ」と自論を語り出す。やがて家は朽ち、CはずっとMの残したメモを取り出そうと壁を擦っていた。しかし突然ブルドーザーが家を解体しだし、隣の家も取り壊されてしまう。隣人ゴーストは「もう戻ってこないみたい」と言うと、一瞬にして姿を消してしまう。
さらに月日は流れ、その場は高層ビルが建設されるが、ずっとその場に留まるC。気がつけば、辺りは摩天楼となっていた。その場に縛られ続けていることに絶望したCは、ビルの屋上から落下する。目を覚ますと、そこは西部開拓時代の草原になっていた。ある一家が住み始め、少女がメモを石の下に隠すが、彼らは先住民により殺されてしまう。再び時が流れ、あの家に戻ると、新婚のCとMが内覧にやってくる。時には喧嘩もし幸せそうなふたりの生活を見守るゴーストC。しかし、遂にふたりがその場を去ることを決めた夜、ゴーストCは落胆してピアノを鳴らすのだった。やがて事故で亡くなりゴーストとなった自分を傍に見守るCは、ついにMの残したメモを取り出す。Mのメッセージを見た瞬間、Cは姿を消すのだった。
感想(ネタバレ含む)
想像以上に独特な映画でした!
一時間半と少し短めの映画でしたが、ほぼ会話がなく、音楽と映像が流れる感じ
正直間延びがすごいというか、途中で寝落ちしてしまいました汗
全体的にちょっとホラーちっくな、もの悲しい旋律の音楽と
アンニュイな映像を堪能する映画ですので、話の内容だけ切り取ったらもっと短くなりそうです
なのでネタバレしてますが、知らずに観ないと楽しめません!
最後まで見ると、家のポルターガイストは、ゴーストとなった夫Cの仕業だったことがわかります
だからか、生前も家からなかなか離れようとせず、Mとぶつかっていました
幽霊に時間的感覚はなさそうですが、未来にも過去にも飛ぶという認識は私にはなかったので、正直不思議な感じでした
特に、最後ループして家に戻ってきたゴーストCと、もうひとりのゴーストCがふたり存在しているシーンは、そんなことあるんだって感じでした
なぜ最初のときにMのメモを入手できなかったのか。。。
ループして(2度目で)やっとメモを入手して、ゴーストCが成仏したときには、もうひとりのゴーストCの姿も消えていました
ただ、メモの内容は開示されないので、すごく気になります
視聴者の想像に委ねるって感じですかね
その他色々気になる部分は、考察などを読んで知れたので、少しまとめます
(あくまで考察なので、いち意見であり、全て正しいかはわかりません)
まずは、輪廻転生や煩悩など、仏教的な要素やテーマの作品のようです
三大煩悩の貪・瞋・癡は
貪:Mのやけ食い、瞋:ゴーストCが怒りで皿を割る、癡:パーティーで男が自論(知ったか)を話す、で表されているようです(ゴーストが誰を待っているかも忘れてその場に執着することも癡かも?)
この世への未練?執着という煩悩から解き放たれて成仏する(無の存在になる)ことで、ストーリーは終わります
登場人物に名前がない(アルファベットだけ)のも
ゴーストが物語の主役であり
かつゴーストは(Cという)ひとりの人間というよりは、輪廻転生を繰り返している霊魂であるから
Mは西部開拓時代の少女の生まれ変わりでは?という解釈もあります
なぜ突然事故が起きたか
ポルターガイストで皿を割りまくる力を持つゴースト
家を出る決心をしたCが許せなかったのか、その場に執着しているゴーストが引き起こした、と考えられなくもないです
ただ、もしそうだとしたら、自分のゴースト(霊魂)が自分を殺したことになりますが、そんな恐ろしいことありますかね・・・??
実は、映像画面がブラウン管テレビを見ているようなサイズで、四方が丸くなっていました
これは、当時の時代設定(1970年代くらい)を表しているのと
監督によれば、過去に執着する幽霊の狭い視野を表現しているそうです
その他、Mは妊娠していた?という考察もありました
引越しについてではなく、子供を持つか持たないかについて言い争っていた
暴食と嘔吐は妊娠によるものではないか、という考察です
その他、個人的に面白いなと思ったのは
ゴーストをただ布を被った(そして目の部分をくり抜いた)だけの、なんというかアナログな感じのテイストにしている点です
ゴーストを描いている作品は色々ありますが
透けた可愛いマスコット的な「キャスパー」とか、普通の人に見える「シックス・センス」のブルース・ウィルスとか
CGで表現しないところが、逆に味があっていいなと思いました
ループした最後の方は、シーツもだいぶ汚れて傷んでましたし、時間の流れを表しているのでしょうか
そしてなんと言っても個人的に感じた最大の魅力は
ルーニー・マーラ(笑)
このアンニュイな役、本当ピッタリですね
音声も少なく、ただ生活している様子を観る・・・
パイをひたすら食べ続けるシーンはなんと10分近くあります!
彼女だから観れたかなって思うくらいです
後半はしばらく出てこないので、寝てしまいました笑
一方、夫C役のケイシー・アフレックも
もっさい髪と髭がよく似合うというか、ちょっとだらしない感、神秘的?な雰囲気がよく出てます
どこかで観たことある、と思ったら「インターステラー」で成長した兄役でしたね
あのときもちょっと病んでる感じがぴったりでした
その他「キラー・インサイド・ミー」の主役だった・・・あの役は恐ろしかった・・・
途中、チェロの音色が素敵な音楽もありました
つまらん!って思う人もいると思いますが、個人的にはそれなりに楽しめたかなと
ちょっとアンニュイな気分に浸りたいとき?におすすめの映画でしたÜ