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映画やグルメなど、好きなものを紹介していきます

アニメ「どろろ」にハマる!手塚治虫の未完の名作が完結?!

どうも ゆうですÜ
今回紹介するのは、久々にアニメ
どろろ

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漫画の神様、手塚治虫の作品のひとつで
未完の名作と言われています

過去にもいちどアニメ化されており
小説、ゲーム、実写映画化、漫画、そして舞台までも!
未完(微妙な終わり方)だからこそ
これほど派生作品がたくさん生まれたとも考えられます

私自身は
妻夫木聡柴咲コウ主演の実写映画がきっかけでこの作品を知りました
(当時あまり評価よくなかったので観てませんが・・・)

以前紹介したアニメ「無限の住人」を観終わった後
古い日本の時代を舞台としたアニメが引き続き観たくなり
たまたまアマプラで観れたので観出したら・・・
ハマってしまい、全て観終えました!
声優陣も豪華

無限の住人」についての記事はこちら

yumak0.hatenablog.com

説明・あらすじ

どろろ」は、手塚治虫による日本の少年漫画。
週刊少年サンデー小学館)」にて1967年35号から1968年30号まで連載された後、「冒険王(秋田書店)」にて1969年5月号から10月号まで連載された。
1969年にアニメ化され、本作は2019年にツインエンジン制作により全24話が放送された。

時は戦国。
醍醐の国の主である景光は、
ある寺のお堂で十二体の鬼神像に領土の繁栄を願い出た。
それと引き換えに生まれた景光の世継ぎは身体のあちこちが欠けており、
忌み子としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。
時は流れ、鬼神は景光との約定を果たし、国には平安が訪れた。
そんなある日〝どろろ〟という幼い盗賊は、ある男に出会う。

それは、鬼か人か

両腕に刀を仕込む全身作り物の男〝百鬼丸〟は、
その見えない瞳で襲い来る化け物を見据えていた。

TVアニメ「どろろ」公式サイト


TVアニメ「どろろ」第1弾アニメPV

主な登場人物(声優)

百鬼丸鈴木拡樹
醍醐景光の世継ぎとして生まれるが、国の繁栄のため鬼神との取引により、身体の大半を失った状態で生まれた忌み子。
川に流されたが、寿海に拾われ育てられる。
成長した百鬼丸は身体を取り戻すべく、十二体の鬼神を倒す旅に出る。

どろろ鈴木梨央
幼いながらも一人で生き抜いてきた盗賊。
鬼神に襲われていたところを百鬼丸に救われて以来、「兄貴」と慕って旅を共にする。

琵琶丸佐々木睦
世捨て人のような盲目の法師。
百鬼丸と同じく他者の存在を炎のような光として認識し、旅の途中で何度か百鬼丸どろろの手助けをしてくれる。

樹海大塚明夫
義手や義足を造る医者。百鬼丸の育ての親であり、名付け親。
百鬼丸の生きようとする意志の強さを感じ取り、造り物の身体と妖怪と闘い生き抜く術を与える。

醍醐景光内田直哉
醍醐の国の主。百鬼丸と多宝丸の父。
天災や疫病などに苦しむ国を救うため、鬼神と取引をし領土を繁栄させる代わりに百鬼丸を対価として差し出す。
国の為なら手段を選ばず、我が子を忌み子として捨て去る冷徹さを持つ。

縫の方中村千絵
百鬼丸と多宝丸の母。捨てられた我が子のことを密かにずっと想い続けている。

多宝丸千葉翔也
百鬼丸の弟であり、景光の後継者。
父を尊敬しており、素直な性格がゆえ百鬼丸が国の災厄と成り得ることを知ってからは、自国を守るために戦いを挑む。

兵庫松田健一郎)、陸奥棟方真梨子
多宝丸に仕える武士。幼少時に囚われの身となっていたところを景光に救われる。
多宝丸と兄弟のように育ち、多宝丸のためならば命を捨てる忠誠心を持つ。

未央鈴木奈々
孤児たちの世話をしている少女。子供たちを生かす為、内緒で侍に体を売っている。
旅をしていた百鬼丸たちと出会い、百鬼丸が唯一心を開き想いを寄せた女性。

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作品紹介

私自身は原作を知らないのですが、本作は原作とは異なる設定が多々あるようです

どろろ」というタイトルについて

作品を観ればわかりますが、どう考えても主人公は百鬼丸(特に本作に関しては)
なぜ「どろろ」の名をタイトルにしたかというと、手塚治虫が「どろろ」というキャラに愛着を持っていた響きがいいから、という話を聞いたことがあります
由来は、「泥棒」「どろろう」「どろろ」と鈍りを参考にしたとか

百鬼丸の身体について

原作では鬼神の数は四八体で、全てを倒さずに連載が終了しているそう
本作は十二体に変更され、かつ縫の方の祀っていた菩薩像が身代わりとなり百鬼丸を守ったため、身体の十一箇所が奪われ、本来死ぬはずだったが、頭と胴体のみを残し一命を取り留める、という設定になっています

第一話の時点では、目(視覚)・耳(聴覚)・手・足・皮膚もないうえに、声もなく痛覚もない状態でした(最初はお面のような顔をつけています)

キャラクターデザインについて

本作は漫画家・イラストレーターの浅田弘幸のデザインで、手塚治虫の絵とはまた違った雰囲気を持っています

原画展 | 浅田弘幸画集 風花雪月 HIROYUKI ASADA TEZUKA ALBUM | ワニマガジン社

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感想など(ネタバレ含む)

原作はなぜ未完(中途半端な終わり方)になってしまったかというと
暗く陰惨な内容が、当時の読者にはあまりウケなかったそうです
今の時代はダークファンタジー作品はたくさんあり、グロくてエグくても人気ですよね
あの「鋼の錬金術師」も、腕や脚を失って(弟は全身)、それを取り戻す旅に出る話ですし
両腕が刀でサイボーグのような容姿
悲惨な過去と宿命を背負いながらも突き進む主人公
めちゃくちゃかっこいいじゃないですか!めちゃくちゃ面白い設定
何より「百鬼丸」って名前がかっこいいし
そして手塚治虫先生の作品らしく「」をテーマとした奥深い話
あらすじ読んで、純粋に興味を持ちました

 

また、本作の魅力はキャラクターデザイン躍動感ある戦闘シーンにもあると思います
今のアニメの技術だから為せる技って感じですかね
個人的には、百鬼丸がドンピシャで好きなキャラでした!
ナルトで言ったらイタチ、鬼滅で言ったら冨岡義勇
黒髪の長髪を縛ってて、物静かだけど強い!みたいなキャラがどうも好きなのですが
見た目は百鬼丸が一番好きかもしれません
手塚治虫先生の愛らしい絵も素晴らしいですが、浅田弘幸先生の美しいキャラデザに惹かれます

どろろ|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL
性格も原作とはかなり違うみたいですね
原作はもっと頼もしいまさに兄貴肌ですが、本作は戦闘に強くも、色々欠落していてどろろが世話を焼きたくなるようなキャラです

 

そしてとりわけ魅力的なのはオープニング曲映像
女王蜂の「火炎」という曲と、アニメーションが神がかったかっこよさ
初めて観たとき鳥肌立ちました!そして何度観てもかっこいい


TVアニメ「どろろ」 オープニング・テーマ 女王蜂「火炎」OPノンクレジット映像

ぶっちゃけこのオープニング観て、よし観よう!ってなりますね笑
百鬼丸の義眼(だと思われる)がかっこいいし、戦闘シーンもイケてます!
ただ、後半(2期)はオープニングが変わって
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「Dororo」という曲になります
アジカンの曲もいいんですが、個人的に「火炎」の衝撃のすさまじさに比べると・・・
アジカンはやはりハガレンのリライトですかね)

 

さて、オープニング映像にも出てくる赤い着物の女性
ものすごくキーパーソンに見えますが、第5・6話「守子唄の巻」に出てくるまさしくキーパーソン
みお」ですね
登場人物の紹介でも記載していますが、百鬼丸の初恋的な相手です
個人的にはこの話が前半のハイライトでした
ちょっと紹介したいと思います

※ここからはネタバレになるので注意!※

みどころ紹介(ネタバレ)

episode5.6「守子唄の巻」

鬼神を倒して聴覚を取り戻した百鬼丸は、周りの音が全て一気に耳に流れ込み、騒音に苦しんでいたが、未央の歌声だけは心地よく響き、鬼神の邪念も薄れるのだった。負傷し体調を崩した百鬼丸は、廃寺で孤児たちの面倒を見ていた未央の世話になることに。明るく心優しい彼女の魂の炎は美しく、惹かれて見つめる百鬼丸。未央は内緒で売春をして子供たちを養っていたため、自分自身を汚らわしく思っていたが、百鬼丸に触れられるのは嫌ではなかった。

やがて近くに新たな鬼神の存在を察知し、二度戦いを挑み負傷しながらも何とか倒して声と脚を取り戻す。しかし百鬼丸たちが留守の間に、未央は敵陣の密偵と疑われ、孤児ともに侍に殺されてしまう。戻った百鬼丸は怒り狂い、修羅のごとく侍たちを切り殺し、この惨事はその後彼がだんだんと鬼神に蝕まれてゆくきっかけとなってしまう。

未央の亡骸を抱いて「ミオ…」と初めて言葉を口にする百鬼丸。その後、百鬼丸は悲しみに暮れるが、未央の夢だった一面の稲穂をつくるための米の穂を、彼女の形見として大事に懐にしまい、どろろと旅立つ

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せ、せつねーーーーーーーーーー泣
なんて切ない!初恋の相手が、その姿を拝むこともなく、話すこともままならず、亡くなってしまうなんて・・・
手塚先生、これは残酷すぎます泣
百鬼丸が無事に身体を取り戻して、未央を迎えにいく・・・って素敵なハッピーエンド
誰かリメイクで作ってくれ

個人的にこの話を見てしまったら、意気消沈してなかなか次に進みませんでした笑

 

しかしその他も、見どころがあります!キーワードは「おっかちゃん

episode17「問答の巻」

どろろとはぐれた百鬼丸は、育ての親・樹海と再会する。
百鬼丸の宿命に嘆く樹海と再び別れる際に、百鬼丸は名前を尋ねるが、樹海は名乗るほどの者ではないと言う。そんな樹海に触れ、百鬼丸は「俺はこれが何だか知っている。"おっかちゃん" だ」と微笑む。「それは違うぞ…」と言いながら涙を流す樹海だった。

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・・・むちゃくちゃ感動!大塚明夫さんの渋い声がまたいい!

episode9「無残帳の巻」

こちらはどろろの過去を紹介する話で、どろろおっかちゃんも出てきます
どろろの泥臭くも誇り高く生き抜く力は、親譲りなんだなと感じます

さて、ご存知の方も多いと思いますが
どろろは少年のように見えて、実は女の子なんですよね
生きるために男の子のフリをしているのだと思いますが、初めて知ったときは驚きました!
実写映画で柴咲コウが演じているあたり、ネタバレな感じもしますが

 

そしてもう一人大事なキャラは弟「多宝丸
原作だとカニ頭みたいです笑
温室育ちで父に似て冷酷なキャラかと思いきや、アニメを観るととても正義感が強く気高いキャラでした!
もともと自分に兄がいたことを知らなかったのですが、百鬼丸の存在を知って「兄上」と呼ぶ誠実さ
しかし、彼の存在が国を滅ぼしかねないことを知り、次期領主として百鬼丸を伐つことを決意します
彼も自分の使命を貫く第二の主人公といった感じです

ちなみに余談ですが、どろろが女の子だったことも驚きましたが
陸奥も女性だったことに終盤で分かり、驚きました!

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そしてクライマックスはついに醍醐の国へ!
このときの百鬼丸は、両腕と両目以外は全て取り戻していますが、心は鬼神に蝕まれ、身体を取り戻すためなら実の弟でも容赦はしない姿勢に、どろろは「兄貴が兄貴でなくなる」ような恐れを抱きます
多宝丸、そして家臣の兵庫・陸奥との闘いは、度肝を抜かれる設定で大興奮でした!
一度百鬼丸に敗れ、多宝丸は右目と額に傷を置い、兵庫と陸奥はそれぞれ片腕を失います
そして百鬼丸に勝つために、鬼神と契約をし
多宝丸は百鬼丸の両目を兵庫と陸奥はそれぞれ腕を身に付け、鬼神の力で対抗します
(そうきたかーーーーーーー!って感じでした)
しかし、修羅と化した百鬼丸は兵庫と陸奥を倒し、両腕を取り戻して多宝丸との一騎討ちとなります(このシーンはけっこうグロかった…)

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episode24「どろろと百鬼丸

城に移動すると灯籠が倒れて燃え上がり、その中で激しい闘いを繰り広げる百鬼丸と多宝丸。しかし百鬼丸に「お前はなぜ足りない」と言われ、全てを持っていたはずの多宝丸は、母の心がいつも百鬼丸にあったために感じていた寂しさを認め、百鬼丸に敗北する。ところが、身体を奪おうと鬼神が暴れ出し、多宝丸が両目を兄に返して百鬼丸が鬼神を倒す。視力が安定せず倒れる百鬼丸の元に、母・縫の方と育て親・寿海が駆けつける。樹海はもとより、実の母の真実の愛を感じ、逃げろと背中を押された百鬼丸は、最後に母の姿をその目に写し、どろろと逃げる。縫の方は気を失っている多宝丸に謝り「これからはずっとおそばにいます」と言って、3人は城とともに焼け落ちる。視力を取り戻した百鬼丸は、夕空の美しさとどろろの姿に感動する。
その後、百鬼丸は生き延びた景光の元を訪れるが、国の再興のためなら何度でも鬼神に魂を売ると言う景光。しかし鬼神に打ち勝った百鬼丸は「俺は "人" だ。あんたも鬼神になるな。"人" として生きろ」と樹海から貰った菩薩像を置いてその場を去る。景光は「お前が後を継いでいたら、儂が望んだ醍醐の繁栄を…」と呟く。
そして百鬼丸は、どろろを置いてひとり旅に出る。やっと全て取り戻した百鬼丸の旅は、本当の意味でここから始まるのだった。
数年後、成長したどろろは懐かしいあの人の元に駆けていき、振り向いた百鬼丸は優しく微笑んでいた。

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と、いうことで素晴らしい終わり方でした!!!!
欲を言えば、多宝丸も縫の方も寿海も生きていて欲しかったな〜
しかし戦国時代、そんな甘い世界ではないのですね
もちろん未央
最後に全てを取り戻した百鬼丸が、咲き乱れる赤い花を見つめ、懐の形見を握りしめるシーン
時が経ちどろろと再会するときも、百鬼丸の立つ場所は黄金に輝く稲穂が一面に広がる場所でした
未央に繋がる細かい描写が素晴らしい・・・

原作では、百鬼丸どろろは結局行き別れで終わるようですが
本作は最後の最後に再会の描写があって良かったです

身体を取り戻せば取り戻すほど、修羅の道に進む百鬼丸が「人とは何だ?!」と言うシーンがありますが
力を求めた先の修羅の道、争わず情けの仏の道、どちらに振り切れても "人" にあらず
というのがこの作品のテーマかなと思いました

 

途中若干中だるみもしましたが、クライマックスも締め方も最高だったと思います

公式HPにはかっこいいイラストがたくさん掲載されています

妖怪アニメを楽しんでみてはいかがでしょうかÜ